唐沢鉱泉≪思い出と概要編≫

先日、唐沢鉱泉に行ってきた。

長野県 八ヶ岳天狗岳登山口、

国定公園内の標高1870メートルに位置する一軒宿だ。

看板

唐沢鉱泉について書こうとすると、おそろしく長くなるから、

まずは ≪思い出編≫

古屋家には俗に言う《いなか》ってやつがない。

そんなわけで 私がオムツの頃から 両親が毎年連れて行ってくれた

唐沢鉱泉が私たち兄妹の《いなか》になった。

あちらさんには迷惑かもしれないけどね。

宿を経営しているMさんファミリーにも 年頃がぴったり同じ3兄弟が居て、

私たち3兄妹とは自然と仲良くなったのだ。

彼らファミリーは私たちにとってものすごく大切な存在。

男の中の男といった感じの バリバリの山男のおじちゃん。

そんなおじちゃんを、陰になり日向になり 支えるおばちゃん。

山や自然に詳しく、優しさとたくましさを備えた3兄弟。

私たちの両親にとっても 私たち兄妹にとっても、ものすごく魅力的な人達だったに違いない。

おじちゃんの山での話やイノシシ狩りの武勇伝や、

猟犬の話しなど尽きる事のない話しに耳を傾けるのが大好きだった。

そんな豪快さは父にないし、

そんな豪快な人と連れ添える度量は母にはないし。

両親にない面があるのも魅力だったのだろう...。

山

...だが、そんなおじちゃんは数年前に他界してしまった。

それ以来 お線香をあげに行ってないことも気がかりだったのだ。

今では、おじちゃんばりに、たくましくなった、息子達がおばちゃんと頑張ってる。

地理的にも標高も高いし、一軒宿なのが魅力。

夜にはたくさんの星。

目の前には子供が遊べる川もあるし、

数時間で歩けるハイキングコースや本格的に八ヶ岳を縦走する基点にすることもできる。

しゃくなげをはじめ、四季折々の高山植物も堪能できる。

しし鍋が名物!!

私が最も印象的に覚えてるのは苔。

唐沢鉱泉から、しばらく登った山の中に 苔むした場所があった。

それはそれはフカフカで、青々と美しく、もののけ姫の背景の世界だった。

今でもあるのかなぁ夏になったら確認しに行かなきゃ

私が自然好きの都会嫌いになったのは唐沢鉱泉のせいだと思う。

神を信じない私だけど、自然には神を感じてしまうのも、

小さな頃から八ヶ岳を両親にひきづりまわされ(失礼!)、

大自然に触れたからだろう。

唐沢は私自身への基点の一つである。

先日日光で、鹿肉を食べたとき 久しく食べたその味に

唐沢鉱泉を思い出し、懐かしさに包まれた。

そんな折、二男のT君から

「いつ来るんだ?年内に来い!!」という強いお誘いが。

両親にそんな話をしたら一気に乗り気になってしまい、

私もその流れに 従うことにした。

そして、約15年ぶりの唐沢鉱泉となった。

                             つづく