日刀保たたら

《日刀保たたら》その3ー許可をもらった日ー

たたらを見たいという人は腐る程居るだろう。頼まれても容易く動ける内容では無いはずだ。 Mさんも 木原さんも 無理を承知で超異例のお願いをして下さったと、想像できた。 私、この人生を選択して 良かったんだ。この生き方だったから与えられたチャンスな…

《日刀保たたら》その2 ー神か? 魔物か?ー

重い身体を持ち上げ丸太をコロにしてゾロリ、ゾロリと引かれていく。 鯨が海から陸に上がろうとしているように。 丸太の焦げる臭いが立ち込める中 下面が真っ赤で熱気と緊張感を帯びたその物体は例えようの無い存在感だった。 神か? 魔物か? 巨神兵か? そ…

《日刀保たたら》その1 ー鉄の神々に会いに行くー

それに反してこの火は生命を宿している。 呼吸をし村下 (むらげーたたらの操業責任者) と会話をし踊っている。 人間を見て人間を人間として捉え、いつでも猛威を奮える体力を持ちながら 歩み寄ってくれているように見えた。 しかし、私にはその火の言葉はま…